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【天使の羽音】自分だけが
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2008/07/18(Fri)
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乱暴で、めちゃくちゃな言い方…。
だけど…その言葉には、色んな『想い』が詰まってる。 信頼し合える相手だから、その『想い』が真っ直ぐに伝わるんだな…… 月見の宴の翌々日。 街を見下ろせる小高い丘の大樹の下。 未だに何が起こったのか解らない露華(ルーファ)の隣に、不機嫌そうな顔をしたセイランが座っていた。 パーティーの翌日、セイランは露華と話がしたいと、ずっと探していた。 けれど、当の露華は、何となく気まずくて、セイランを避けていたのだった。 そして今日。 酒場の前を通りかかった露華をセイランが拉致っ…もとい、有無を言わせず強引に引っ張って来て今に至る。 「心配させたくないってんなら完璧に隠せ!」 開口一番のセイランのこの科白(せりふ)に、露華は一瞬きょとんとした。 「隠せないなら…『自分だけ』なんて、エラソウな事考えてんな!!」 言葉の強さとは逆に、静かに…押し殺したような声で、じっと露華を見つめながらセイランは語を繋ぐ。 「…そんな表情(かお)してたら……気になるだろ…?」 そう言って、セイランは露華の頬にそっと触れた…。 この国に来た当日、露華に教えてもらった場所。 初めてセイランと会話をした大樹の下。 最近のクリムゾンは、沙姫(さき)とアンジェがギルドに行っている間、この大樹(き)の上でのんびり過ごすのが習慣になっていた。 今日も、いつものように大樹の上で、のんびりと天空(そら)を見上げている。 セイランの…いつになく真剣な声が聴こえたのは、そんな時だった。 「心配させたくないってんなら完璧に隠せ! 隠せないなら…『自分だけ』なんて、エラソウな事考えてんな!!」 大きな声ではなかったので、その言葉も、やっと聴き取れたといった処だ。 当然、クリムゾンには、何の事を言っているのか意味が全く解らない。 ただ、言葉だけを聴いていると…何だか、すごく乱暴な事を言っているように感じる。 喧嘩…なのだろうか? 暫くして、2人が街へ帰っていくのを、クリムゾンは複雑な表情で見送った。 数日後、酒場の前で露華はクリムゾンに呼び止められ、あの日の事を訊かれた。 聴かれていた事に一瞬驚いた露華だったが、すぐにいつもの様子に戻り、くすくすと ― 嬉しそうに ― 笑いながらこう言った。 「心配してくれてるだけです…すっごく」 |
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